楽園・タヒチ –モチーフにあふれた南の島–

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楽園・タヒチ -モチーフにあふれた南の島-

1971(昭和46)年7月、香月泰男は夫人を伴って初めてタヒチを訪れました。画家によれば、タヒチでは「にわとりも、犬も、山羊も、野鳥も、みなしあわせに生きているように見える」のです。美しい花々に囲まれた家、辺りを散歩する鶏、畑を耕す牛、浜辺に打ち上げられた貝殻など、生きた自然がそこにありました。『タヒチ(7)』(1971年)まさに「楽園」と呼ぶにふさわしい場所で、画家がタヒチを大変気に入っていたことは、彼や夫人がその著書の中で何度も言及していることや、1973(昭和48)年8月に2度目のタヒチ旅行を行っていることからもはっきりと伺えます。画家は戦時中は旧満州国ハイラル市、終戦と同時にシベリヤで強制労働を強いられ、画家として4年間に渡り家族の下を離れ満足に絵を描くこともできませんでした。 帰国後は、シベリヤで毎晩毎夜夢にまで見た自分の生まれ育ったふるさと・三隅を拠点に、思い通りの仕事場で、豊かな自然と愛する家族に囲まれ、身近な風景や自然などをモチーフとして創作活動を行いました。しかし、山陰の 片隅といえども、少しずつ開発が進むにつれ、昔からの田舎の風景は薄れてしまったことを、画家は嘆いていました。 そのような中でタヒチの風景に、古き良き田舎の原風景を見たのかもしれません。『タヒチ(14)』(1971年)本展ではタヒチをモチーフとした素描、版画作品を展示します。『木版画集《タヒチ》』で、画家は初めての木版画に挑戦します。画家自ら彫った版木、そこから生み出された色彩豊かな版画からは、温もりのある、常夏のさわやかな 夏の日差しが感じられます。画家の惹かれたタヒチの風景をお楽しみください。(案内より)

日時:2013年11月29日(金)〜2014年3月3日(月)
午前9時〜午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週火曜(祝日の場合は開館)※12/29-1/1は休館いたします
入館料:一般500円、小中高校生200円、未就学児は無料
場所:香月康男美術館
山口県長門市三隅中湯免 Tel: 0837-43-2500 Map

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