没後50年 上田宇三郎展ーもうひとつの時間へー

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没後50年 上田宇三郎展ーもうひとつの時間へー

大正元年(1912)年,博多の裕福な商家の息子として生まれた上田宇三郎は,常に学年で5指に入る秀才でありながら体が弱く中学校中退を余儀なくされますが,その頃から日本画を志し,京都と福岡で学びました.彼は戦前から密度の高い作品を発表し,昭和22(1947)年には4人の画友とともに「朱貌社」を結成し,注目を集めます.幾何学的な形態分析など西洋絵画から学んだ手法を日本画の画面に活かす試みに没頭する一方で,油彩画家・坂本繁二郎や彫刻家・冨永朝堂といった郷土を代表する芸術家とも親しく交際し,少なからぬ影響を受けました.日本表現派展への出品など東京での発表の機会に恵まれはじめた矢先の昭和39(1964)年,宇三郎は52才で没しました.洗練された造形感覚を示し,次第に暗示性を高めていく上田宇三郎の作品は,宗教上の時間概念や宇宙空間に関心を持ち,経験可能な世界の隣にあるもう一つの時空間に惹かれつづけた精神的な探索そのものを示すようにも見えます.
本展は上田宇三郎の没後50年を記念し,その画業を回顧するものです,約20年ぶりの回顧展となる本展では,絵画作品約45点をスケッチブックや日記などの資料と併せて紹介します.戦前の博多のモダンな空気を受け継ぎつつ,高い精神性を作品に込めた上田宇三郎の芸術に触れていただけたら幸いです.ー案内より

日時:2013年12月18日(水)〜2014年2月16日(日)
午前9時30分〜午後5時30分、入場は17:00まで
休館日:月曜日(12/23, 1/13は開館,12/24, 1/14は休館),12月28日〜1月4日
場所:福岡市美術館 企画展示室[2F常設展示室内]
福岡市中央区大濠公園1-6 Google Map
入場料: 一般200円、高大生150円、小中学生以下無料

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